お祭り当日。 「美羽っ。 ごめん、遅くなって」 うちは手を合わせて謝った。 遅れると連絡したものの、30分も遅刻。 「いいよ、大丈夫だけん」 美羽は笑いながら言った。 本当は、お祭りに行くつもりなんてなかった。 行く相手もいなかったから。 だけど、美羽が彼氏と行けないからと誘ってくれた。 「彼氏、仕事だっけ?」 うちの問いに、美羽は頷く。