そこまで言って、唾を飲み込んだ。 酷く喉が渇いている。 それから、掴んでいる手に力を込めた。 「私、蓮杖さんが好きです。 一目惚れだったんです」 言ったあと、手が震え出した。 蓮杖さんは黙ったまま。 ここまでは聞いてくれたけど、返事もくれず、立ち去られたらどうしよう。 そんな不安が押し寄せて来た。 「僕を、おちょくっているのか?」