「帰るね。 ……気を付けて帰ってね」 そう言って、蓮杖さんは立ち去った。 私はその場に、泣き崩れた。 何で涙が出て来るのか、分からない。 だけど、流れ続けた。 誰の話し声も聞こえない静かな夜。 風のせいで、揺れる葉の音だけが聞こえる。 その音がまた、寂しさを倍増させる。 そんな時、急に乾いた音がした。 下を向いている私の頭に、痛みがあった。