途端に龍娘を中心に、空気が研ぎ澄まされるような感覚。

遠くに聞こえる車の音、人々の足音、話し声。

そういったものが完全に無になったような錯覚すら覚える。

龍娘を基点とした結界が張り巡らされているような。

その空気に息を呑んでいると。

「…とまぁ…こんな感じだ」

龍娘が立禅をやめた。

空気は元通りに戻る。