「ねえ、朝ご飯は?」


「そんなものはない。時間もないし。ていうか、よく食べる気になるな? 二日酔いじゃないのか?」


「多少はそうだけど、鍛えてるからね。あ、それ頂戴?」


「あ、ああ、いいけど、ぬるいぞ?」


「いいの」


 俺が流しに捨てようとしたカフェラテの飲み残しを渡すと、金沢はそれをゴクゴクと飲み干した。


 金沢からマグカップを受け取りながら、

「じゃあ、出掛けようか?」

 と言うと、


「ずいぶん慌ただしいのね?」


 と、金沢は拗ねたような顔をした。