おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

「悪いけど、起きてくれるか?」


 金沢はゆっくり目を開き、トロンとした目で俺を見た。たぶん二日酔いだろうな。

 昨夜は結局焼酎のボトルを全部飲んでしまった。俺はセーブして飲んだから、3分の2以上は金沢が飲んだはずだ。それだけ飲めば、二日酔いは当然だろう。


「…………」

 金沢は無言で俺を見るだけだった。


「出掛けるからさ、おまえも起きて……うわっ」


 金沢の手が伸び、俺は頭を抱きかかえられてしまった。そして、


「ねえ、どうして抱いてくれなかったの?」


 俺の耳元に酒臭い息を掛けながら金沢はそう言った。