おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 そう。昨夜、俺は金沢を家に泊めた。と言っても好きで泊めたのではない。ベロベロに酔った金沢に泊めてくれと言われ、仕方なくそうしたのだ。


 そして金沢を俺のベッドに寝かせ、俺は別の部屋の畳にクッションを並べ、普段は使ってない毛布やらコートやらを上に掛けて、何とか寒さを凌いで寝たのだ。


 金沢は「一緒に寝ればいいじゃない?」と熱っぽい目で言っていたが、隣に寝て彼女に手を出さない自信が俺には全くなく、かつそうなりたいと思わなかったから断った。


 金沢と男と女の関係をズルズルと続け、引き返せなくなるのが俺は嫌だったから。


「金沢、頼むから起きてくれ〜」


「ん……」


 掛け布団を退け、彼女の耳元で声を掛けていたら、漸く金沢が俺の声に反応を示した。