そこから歩いてすぐの所に俺が住むアパートは在った。


 築20年ぐらいの2階建てのごく普通のアパート。俺の部屋は2階に上がってすぐの部屋で間取りは2Kだ。

 駅からかなり遠くて通勤には不便なのだが、駐車場が付いて手頃な家賃なのが俺は気に入っている。


「速攻で置いてくるから、ちょっと待ってて」


 少女にそう言って、俺は2階へ上がるべく階段をトントントンと上がって行った。しかし荷物が邪魔で、部屋の前で財布から鍵を出すのに手間取っていたら、少女が俺の脇まで来てしまった。


「あはは。もたついちまった。ちょっと待って、な?」


 俺がそう言うと、少女はそんな俺が可笑しいのかニコニコしていた。