「私の家、結構遠いけど、いいの?」


 と言った。遠いと言っても、歩いて行ける距離だろ? そう思ったから、


「いいさ」


 と俺は言った。しかし少女は、


「でも……、それ、冷たくなっちゃうよ?」


 と言い、俺が手に提げていた、おでんが入ったコンビニの袋を指差した。

 確かにそうだろうし、こんな物をぶら下げて歩くのもどうかと思ったので、


「じゃあ、俺んちはすぐそこだから、ちょっと寄って置いて行くかな」


 と言うと、「うん、それがいいよ」と言って少女はニッコリ微笑んだ。