おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 もし“いる”と答えたら、俺は有希の事を金沢に話さなければいけないだろう。しかし俺自身でさえよく解らない有希への想いを、どう金沢に話せばいいのか……

 今はまだ、自分の中だけで有希との事を考えたい。そう思ったから「いないよ」と俺は答えたんだ。


「ふーん、即答じゃないんだ……」

「…………」

「でも、いないのは確かなんでしょ?」

「まあな」

「だったら……」


 と金沢が何かを言い掛けた時、「お待たせしました」という声と共に、店員が料理を運んで来た。