おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

「ほんとに? 無理しなくていいのよ?」


 言葉とは裏腹に、金沢は嬉しそうな顔をしていた。


「いいさ、飯に行くぐらい。ていうか、忘れててごめん」


 という事で金沢と一緒に会社を出ると、駅近くの飲み屋へ直行した。互いに酒が好きなので、飯だけでは物足りないという事で、以前にも何度か行った事のある居酒屋へ行った。


 「お疲れさまー」と言って生ビールのジョッキをカチンと合わせると、俺はジョッキの3分の1程の生ビールをゴクゴクと喉に流し込んだ。ビールはこの最初の一口が一番旨いんだよなあ。

 向かいの金沢も、俺と同じぐらいのビールを飲み込み、「ふー」と息を吐いていた。そんな彼女に、


「いつも忙しそうだよな? 疲れてないか?」

 と言うと、


「ありがとう。河村君って、いつも優しいよね?」

 と金沢は言った。