おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

「これって、もしかしてチョコか?」


「そうだよ。今日はバレンタインだし、このあいだのお礼に作ったの」


「手作りなのか!?」


「うん。初めてだから、味は保証できないよ?」


 そう言って有希はエヘヘと笑った。


「わざわざ俺のために……、なわけないか」


「ん?」


「どうせ彼氏に作ったついでだろ?」


 そう言って有希の顔をジーッと見たら、有希はちょっと下を向いて、「まあね」と言った。


 ショックだった。なんでか解らないけど、有希が彼氏の存在を否定しなかった事に、俺はすごいショックを受けた。


 有希ほどの可愛い子に、彼氏の一人や二人、いても当たり前じゃないか。そう理屈では解るはずなのに、それを認めたくない俺がいた……