おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 俺は有希のサクランボのような可愛い唇にキスを落とし、有希の体をギューッと抱き締めた。幸せな気分を胸いっぱいに溜めて。


「有希、俺はもうおまえを放さないよ。いいかい?」


「いいわよ? さっきの話、考えてもいいかも」


「さっきの話?」


 はて? 俺、なんか言ったっけ?


「分からないの?」


「ぜんぜん」


「じゃあヒント。私ね、進学しないで就職するつもりだけど、まだ内定取れてないの」


「あ、そう? 今は酷い就職難だからなぁ……って、なぜにそれがヒント?」


「もう……おじさんってほんと、バカ!」


「おじさんって言うな!」


(おしまい)


 最後までのお付き合い、ありがとうございました。

 祐司が有希に言って思い出せない言葉は何か、お分かりですよね?
 もしお分かりでない方は、201ページの中頃の台詞をご覧くださいませ。


2012.5.28 秋風月