おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 有希に顔を殴られたのはこれで2回目だが、今度のはかなり効いた。


「どうしてそんな嘘ついたのよ? 私、すごく悲しかったんだから……」


「いや、それはさ……」


 俺はあの日、委員長に待ち伏せされ、脅された事をありのままに有希に話した。


「困った事になっちまった。あの委員長、何をしでかすかわかんねぇよな? 有希、考えたんだけどさ、学校をやめちまったらどうだろう? 俺が一生面倒見るからさ」


「おじさんって利口な人だと思ってたけど、そうでもないね?」


「なにぃ?」


「だって、簡単に騙されちゃうんだもん」


「騙されるって、委員長にか?」