おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 話し声は聞こえないが、有希と委員長は何やら口論しているようだ。

 もっと近付かなければ……


「だから言ってるじゃないですか。早く買い物をして帰らないと、母に叱られるって……」


 やっと聞こえたのは、そんな有希の声だった。やはりお母さんの酒を買いに行くところらしい。しかしお母さんにも困ったものだな。医者に相談した方がよいのじゃなかろうか。


 それにしても、久々に聞く有希の声は可愛いなあ。

 なんて悠長な事を考えてる場合ではない。委員長はシツコク有希に迫っていた。


「ほんの10分、いや5分でいいから、ボクとお話しましょうよ?」


 何が“ボクとお話”だよ? 気持ち悪いヤロウだ。


「イヤです。は、放してください」


 あのヤロウ、有希の腕を掴みやがった。


「ボクを怒らせると、今度こそキスするよ?」


「イヤ! やめてください!」