おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

 有希と別れてから、いや、付き合ってたわけじゃないから、有希と会わなくなってから、というべきだけど、一週間が過ぎようとしていた。


「お先に……」


 俺は今日も定時で仕事を上がる。


「先輩、若奥さんによろしく」


 脳天気な後輩からからかわれても、そいつの頭を叩く元気はない。


 俺はコンビニに寄っておにぎりやパン、飲み物なんかを買い、アパートに帰ると車の鍵を持ってすぐに表に出た。


 そして有希が住むマンションの界隈を車でゆっくり練り歩き、最後は有希のマンションが見える場所に車を停めた。


 俺はそんな事を、あれから毎晩繰り返していた。