おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜

「まあ、ちょっとそんな気分だったんだ」


 そう曖昧に言い、俺は有希の表情を窺った。彼氏に嫉妬した俺の気持ちに気づくかどうか、あるいはとっくに気づいてるのかどうか……


 ダメだ。全然わかんねえ。

 有希はただ俺を見返すだけで、黒目がちの大きく綺麗な目を見ても、有希が何を考えてるのかサッパリわからない。案外、何も考えてないとか?


「昨日はごめんね?」


「え?」


 いきなり謝られた。もしかして、はぐらかされたのか?


「ぶったり、ひどい事言って……」


「いや、謝るのは俺の方だよ。おまえの、その……ファーストキスを奪っちまって」


「それは言わないでよ……」


 有希の顔がポッと紅くなった。

 昨日はあんなに怒ってたのに、今はそうでもないみたいだ。

 有希の気持ちは正直、掴みきれないが、少しは希望を持っても、いいのかな。