ピンポーンピンポーン 夜八時を過ぎた頃、家のインターホンが鳴る。 インターホンと、電話の音が混ざりあってガンガン頭が痛くなる。 インターホンを無視していると、外から声が聞こえた。 「綾香っ!?何かあったのか!?」 聞こえたのは、お兄ちゃんの心配そうな声。 私はフラッと立ち上がり、ドアの鍵を開けた。 ドアが開くと共に、電話も同時に鳴り止んだ。 これは偶然? いや、きっと誰かに私の行動を見られているんだ。 私はそう、確信する。