「・・もしかして君は如月綾香ちゃんじゃ・・!?」 不意に聞こえた声に驚き振り返るとそこには年配のお医者さん。 私は、見覚えが無いのに何故か名前を知っているお医者さん。 「いやあ・・久しぶりじゃなあ・・」 ポンポンと幼い子供を扱うように頭を優しく叩く。 「フォッフォッフォッ・・もうあれから10年も経ったんだねえ。相変わらずべっぴんさんだなあ」 もしかして・・私の知らない記憶の中の・・人? 何も喋らない私に首を傾げるお医者さん。 そしてお医者さんは手をポンと叩き思い出すように言った。