地味女が巻き込まれました。【下完】




ダメだ。


廉の場所には、行けない。

また、同じ事が繰り返されるだけになってしまう。



「ククッ、良い子だねえ。」


流架の方へ、私は行く事に決めた。


ギュッ


苦しい程に腕に力を入れて私を抱き締める。



「綾香から、離れろ…」



背後からは、低く狼の様に唸る廉の声。



「はあ、本当に君は憎い人だ。僕と綾香ちゃんを引き裂く最大の……敵。」



パチンッ


流架が綺麗に指を鳴らす。

その音と同時に現れたのは、沢山の大男達。


一体、何処に居たというのだろうか。