地味女が巻き込まれました。【下完】



一向に、廉の名前は出てこなかった。


無いかもしれない。


という、希望の光が見える。


だが、光は遮られる。


黒く淀んだ塊に。



最後のページを開く。



「きゃっ!」



私は、短く悲鳴をあげ、ノートを落としてしまう。


なに、これっ。



【キリタニレン】の名前の下には廉と私の写った…写真。


写真の廉は、カッターか何かで刻まれていた。


何度も何度も刻まれた跡があった。



カタカタと、激しく体が震え出す。