「綾香から、抱き着かれる何て…お兄ちゃんは感激だよっ…!!」
とまあ、暢気な発言をするシスコン野郎。
「そんな事言ってる場合じゃないの!早く…早く麗を助けてっ!」
「……どういうことだ?」
私の何時もと違う真剣な表情からか、お兄ちゃんの表情もガラリと変わる。
「わからない!私にも…わからないの!とにかく、麗を助けて…!!」
「……わかった。麗は俺が守るから。綾香は安心して待ってなさい。」
ポンポンと、私の頭を優しく叩く。
それは…優しいお兄ちゃんの表情。
「ありがとう……!」
私は涙を堪えながらお兄ちゃんを見送った。



