「あぁ、あの事本当だったんだ。…記憶喪失ねえ。」 「いいからっ…教え…」 トンッ 突然、人差し指を唇に置かれ、黙り込む。 「知らない方が幸せな事もあるんだよ。………それに次期君はわかるさ。」 「……」 「まあ、きっと君とは近い内に会えるだろう。」 何とも雰囲気に合はない暢気な声で言い、私の肩を軽くトントンと叩いた。 今だったら廉達に勝てた筈なのに、部下に撤退命令をかけ、風の様に私達の元を去って行った。 本当にあの男は何だったのだろうか……? 疑問は増すばかり。