「・・・あ゛ぁ?」
物凄く不機嫌な地響きの様なドス黒い声が保健室に響く。
どうやら低血圧魔王様は起きたみたいです。
「綾香にくっつきすぎだからね?廉くん」
相変わらず、にこやかな黒い笑みは張りついたままの竜。
これは相当お怒りみたいだ。
「ねえ?そろそろ、殴るよ?」
「殴れるもんならな」
廉は意地を張ってるのか私の腰に回した腕だけは剥がそうとしない。
二人とも戦闘準備しちゃってるんですけど・・止めないと誰かが・・・死ぬ。
そう察した私は間に入って、どうにか二人を落ち着かせた。
兄弟喧嘩をあなどってたわ・・。



