この声が届くまで






「 お兄さん、その子離して 」




来てくれた

でも奏じゃない、海吏だ―――…




「 男持ちとかつまんなっ 」




捕まれてた腕が一気に解放されて体がふらついた




「 おっと…大丈夫? 」

「 海吏、ごめんなさい…っ…… 」




一瞬、がっかりしちゃった

奏じゃなくて海吏だったことが


最低…最低だよ愛彩




「 あーちゃん泣かんで? 」