僕ももれなく、その中のひとりになる。

今日の図書委員は、同じクラスの黒滝だ。

黒滝は、真っ黒な黒髪を三つ編みにして、赤いメガネをかけている。

みためからして文学少女ってかんじ。

「やあ黒滝。座るとこありそう?」

「あら、珍しい。んー、自習室はいっぱいみたい。室内のテーブルなら開いてるかなー」

司書室に立てかけてある室内見取り図には、テーブルと椅子がおいてある場所に磁石がついている。

テスト勉強期間中、どこの席が開いてるかすぐわかるようにしているのだ。

マンガ・インターネット喫茶みたいだけど、効率的だと思う。

「あ、小谷先生きたから自習室の席一つ開くよー」

後ろから大量の本を持って、小谷先生が歩いてきた。

「黒滝さん、貸し出しよろしくー」

「はーい。10冊一週間貸し出しですねー」

日本文学に外国文学、トンデモ本、雑誌、エッセイ…。


小谷先生が持ってきた本、全く統一性がないんだけど…。