「嫌・・・倖・・・」
「倖っ倖・・・っ!」

「あぁぁぁー・・・っ!!!」


私は何度も泣き崩れ、
身の回りの事でさえも
手付かずの状態だった。

「三咲さん・・・」

御神さんが私の肩に
手を置き、呼びかける。


「嫌─・・・っ!」

─パシッ─

私はその手を振り払って
しまった・・・。


「あ・・・ごめんなさ・・・」

謝ろうとした時─・・・


「すみま・・・せん・・・っ」


何故か、御神さんの目には
涙が溜まっていた。

「え・・・御神さん・・・?」

泣くほど痛かったなんて
事は無いだろう。

なら如何して・・・?


「すみません・・・っ」

「僕も・・・一緒に泣いて
いいですか・・・っ」


もしかして・・・御神さんは
倖の事を惜しんでくれてるの・・・?

倖の事を・・・っ


「倖ぃー・・・っ!!」
「あぁぁぁーっ!」

「・・・く・・・っひっく・・・」


大きな泣き声と静かな泣き声が
病室に強く、強く響いた。