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私は仕事が長引き、
倖の病室へ走って行く。


「さ、倖・・・っ!」

病室のドアを開けると
そこには御神さんの姿。


「・・・・御神・・・さん・・・」

「あぁ、どうも!」
「倖ちゃん凄くいい子でしたよ!」


何なんだ・・・この人・・・。

「そ、そうですかー」
「それならよかったですー」


引きつり顔でお礼を言う。

「じゃあ僕は行きますね」
「さよならっ」

「はぁ、さようなら・・・」


前向きもいい所よね・・・。

はっきり言って私、
あの人は少し苦手だわ・・・。

しかも明らかに年下だし・・・。

まあコレは置いといて


「倖、大丈夫?体」

「うんっ」
「あとね、けいすけ先生が
居てくれたから楽しかったよ!」


「そう・・・よかったわね」

倖はやっぱり寂しかったのね・・・。
ごめんなさい・・・倖・・・。


「倖・・・」

「ママ・・・?」

「倖は恵介先生が好きなの?」

「大好きっ!」

「そっか・・・」


私は嫌いだけど、
倖がそれで寂しいと思わない
のなら来てもらうわ・・・。

倖は私の世界でたった一人の
“家族”だもの─・・・。