「倖─・・・」

「倖ちゃん、大丈夫?」

何だろう・・・
私は今、御神さんに
ヤキモチを焼いているのか・・・?

何だか倖がママと呼ばなかった
事に少しむっとしている。

まだまだ子供かな・・・。


私は私自身に呆れていた。

「倖ちゃん、ママが居ない間
これからは先生が倖ちゃんと一緒に
居てもいい?」

・・・・・っ!?
何を勝手に言ってんの・・・っ!?

でも、そんな私を他所に倖は、

「うんっ!けいすけ先生が
居てくれるんなら倖だいじょうぶ!」


・・・・・・倖・・・。

この二人はさっきから私をほったらかし。
御神さんは倖が私の子だって分かってんの!?
まあ、倖が嬉しいんならいい・・・ような・・・。


「倖、ママが忙しい時だけよ!」

私は倖に注意をした。

「はぁーいっ」

すると、

「あ、スミマセンっ」
「僕ちょっと用事あるんで・・・!」
「失礼します!」

そのまま彼は急ぎ足で
病室を出て行った。


「ママぁ」

「何?」

「けいすけ先生きてくれて
よかったねっ!」

「そうね・・・」

私は微笑んだ。

だが、頭では不安が
溢れ出てくる。

そう、倖の病気の不安が─・・・。