辺りは見渡す限り真っ白で、二人きりで異世界に迷い込んでしまったように思える。


あぁ…俺はなんて不謹慎なんだろう。


こうして二人きりで話す機会なんて今まであまりなかったから、この状況を嬉しいとさえ感じている。


心の距離が段々と縮まっていくのも、はっきりと自覚出来るんだ。


だって……



「あの、冬瑚先輩……」


「どうした?足痛い?」


「いえ、そうじゃなくて…!
…あの“マミ”って呼んでくれていいですよ?」



なんだかいい雰囲気だし?

普通、嫌いな男にこんなこと言わないよな?



「ま、マミ……って呼んでいいの?」


「はい、ぜひ!うふふ♪」



そんなに嬉しそうに微笑まれたら…
脈アリだと勘違いしちまうぞ?