廊下に出ると生徒会長の宇田川 弥生が俺を待っていた。 「ごめんなさい、雨宮。忙しいのはわかっているんだけど…今度の行事について意見を聞かせて欲しいの。」 アッサリそう言う宇田川。 悪いと思ってないだろうな。 メガネの奥のパッチリ二重は俺をしっかり見つめている。 「いいよ。」 別に笑顔を見せたわけではないが、宇田川は嬉しそうに笑う。 宇田川の本音には気がついている。 でも俺は気づかないふりをする。 何もしてやれないし。