総司の隣にちょこんと座っている楠葉は楽しそうに話しているもののその顔にはいつもの腕笑いが浮かんでいる



しかし、総司が土方さんを指差した瞬間


彼女は笑った


あれは嘘笑いなんかじゃない

心からの笑顔だろう


相当おかしかったのだろうしばらく笑っている彼女に俺だけじゃなく佐ノや総司も驚いていた


彼らも楠葉の嘘笑いには気がついていたのだろう

総司はうつ向いてしまった

まだ笑いがおさまらない彼女は急にうつ向いてしまった総司を心配して覗きこんでいる


そんな２人を見ていた俺は理由のわからないイライラが体を駆け巡るのを感じた

そのとき総司が楠葉の耳元で何かを呟いた

そのとたん彼女の顔はみるみる赤くなり部屋を出ていってしまった


彼女が出ていくと同時に俺の体からも殺意がわき出た



同じく後ろで原田も殺気っていたのに気がつかなかったのか


総司は楠葉が出ていったふすまをしばらく眺めていた