「楠葉?」
「へっ?すみません、ボーッとしちゃって…。もう一度お願いします」
顔を覗き込むように話しかけた永倉にやっと気づいたようで楠葉は驚いて顔をあげた
「今日楽しかったかきいたんだが、なんかおかしいぞ?楠葉。どうしたんだよ?なんかあったのか?」
あい変わらず覗き込むような姿勢で楠葉を見る顔は心配の色が浮かんでいる
「ただボーッとしちゃっただけですよっ。すみません永倉さん。気を付けますねっ」
すぐに笑顔になるがその笑いが本物ではないことくらい永倉にはわかった
「こらっ」
「うっ、イデッ」
途端にデコピンをくらった楠葉はおでこをおさえて痛みに悶えている
そんな楠葉を腰に手を当て仁王立ちで見下ろす永倉はまるで子供を叱る親のように見つめていた
「なんですか?永倉さん。痛いじゃないですかぁ…」
涙が浮かんだ目で永倉を見ながら訳を聞かずいにはいられなかった
「その笑いかた俺嫌いなんだよね」
「え?笑いかた…ですか?」
「そう、笑いかた。楠葉、その笑顔鏡でみたことあるか?」
「ないですけど…」
「すげーぇ、ブスッ!」
「………はい?」
「だから、すげぇブスだからその笑いかた止めとけ」
「知ってます…」
「知ってたのか?!だったら、もっと早くから直せよ」
「あたし、自分がブスなことくらいわかりますけど人に言われると腹がたちます」
「ちがうって。だからその笑いかたがブスなんだよっ!」
「笑いかた、笑いかたって何の笑いかたですか?」
「そのうわべだけでヘラヘラ笑うやつだよ」
「…え?そんなことはないですよ…」
「嘘つけ、楠葉嘘笑いするときなんか悲しそうな顔するの俺はちゃんと知ってるんだぞ?」
「悲しそうな顔ですか?あたしそんな顔してました?」
「ほらみろ!自分じゃ気づかないうちに嘘笑いが出ちゃうってことはそれが癖になってるってことだ。ダメだそ、楠葉」
仁王立ちでぷんすか怒っていると思ったら困っているあたしに近づいて、また覗き込むような姿勢になった
「楠葉はもう一人じゃないって前にいっただろ?俺達は少からず楠葉のことは妹みたいに思ってるから頼ってこいよ。あのー、あれだろどうせ。自分が相談なんかしたら俺達に迷惑がかかるとか考えてんだろ?」
「うっ…」
「おー、図星か?まぁ、大丈夫だよ。楠葉が一人で抱え込んで暗い方が迷惑だって。俺でよかったら相談乗るけど?まぁ、佐之も一緒になっちゃうけどそれでよかったら」
あたしとおんなじ目線に座り込んで頭を撫でてくれる永倉さんに涙が出ちゃいそうだった
“妹みたいに思ってるから”
あたしが妹ってことは新撰組の人達はお兄ちゃんってことかな?
「あの、あたし…悩んでいるのは本当です、で、その…、今度相談に乗ってもらってもいいですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、帰るぞー」
「あっ、待ってくださいっ」
「のんびりしてる楠葉が悪りぃんだよっ。おいてくぞー」
「永倉さんっ!」
なんだか突っ込みどころがない人だな、と思いながらも永倉さんにとても感謝した出来事だった
しかし、相談の日
「あの…、やっ、やっぱりいいです!」
相談の内容的に斎藤さんとのキスのことや、あたしの斎藤さんへの気持ちも言わなきゃいけないことに気付き結局相談はできなかった
「やっぱ、まだお兄ちゃんとは呼んでくれないみたい…」
「どんまい、新八」
「あー。相談のってあげたらお兄ちゃんって呼んでくれるかなって思ったけど、あのこまだ受け入れてくれないっ」
「ほらほら、泣くなって…。大丈夫だよ、新八。いつかそういった日がくるから…」
「本当かよ」
「でも、新八。楠葉にお兄ちゃんって呼ばれたいお前ってかなり変態だぞ?」
「そ、そんなことねぇーよ!ば、ばっか、なに考えてんだよ佐之…。やらしいぞー」
「んーだと?コノヤロー」
「なんだ、やんのか?」
こうして2人がもめたことも楠葉は知らずにいた
「へっ?すみません、ボーッとしちゃって…。もう一度お願いします」
顔を覗き込むように話しかけた永倉にやっと気づいたようで楠葉は驚いて顔をあげた
「今日楽しかったかきいたんだが、なんかおかしいぞ?楠葉。どうしたんだよ?なんかあったのか?」
あい変わらず覗き込むような姿勢で楠葉を見る顔は心配の色が浮かんでいる
「ただボーッとしちゃっただけですよっ。すみません永倉さん。気を付けますねっ」
すぐに笑顔になるがその笑いが本物ではないことくらい永倉にはわかった
「こらっ」
「うっ、イデッ」
途端にデコピンをくらった楠葉はおでこをおさえて痛みに悶えている
そんな楠葉を腰に手を当て仁王立ちで見下ろす永倉はまるで子供を叱る親のように見つめていた
「なんですか?永倉さん。痛いじゃないですかぁ…」
涙が浮かんだ目で永倉を見ながら訳を聞かずいにはいられなかった
「その笑いかた俺嫌いなんだよね」
「え?笑いかた…ですか?」
「そう、笑いかた。楠葉、その笑顔鏡でみたことあるか?」
「ないですけど…」
「すげーぇ、ブスッ!」
「………はい?」
「だから、すげぇブスだからその笑いかた止めとけ」
「知ってます…」
「知ってたのか?!だったら、もっと早くから直せよ」
「あたし、自分がブスなことくらいわかりますけど人に言われると腹がたちます」
「ちがうって。だからその笑いかたがブスなんだよっ!」
「笑いかた、笑いかたって何の笑いかたですか?」
「そのうわべだけでヘラヘラ笑うやつだよ」
「…え?そんなことはないですよ…」
「嘘つけ、楠葉嘘笑いするときなんか悲しそうな顔するの俺はちゃんと知ってるんだぞ?」
「悲しそうな顔ですか?あたしそんな顔してました?」
「ほらみろ!自分じゃ気づかないうちに嘘笑いが出ちゃうってことはそれが癖になってるってことだ。ダメだそ、楠葉」
仁王立ちでぷんすか怒っていると思ったら困っているあたしに近づいて、また覗き込むような姿勢になった
「楠葉はもう一人じゃないって前にいっただろ?俺達は少からず楠葉のことは妹みたいに思ってるから頼ってこいよ。あのー、あれだろどうせ。自分が相談なんかしたら俺達に迷惑がかかるとか考えてんだろ?」
「うっ…」
「おー、図星か?まぁ、大丈夫だよ。楠葉が一人で抱え込んで暗い方が迷惑だって。俺でよかったら相談乗るけど?まぁ、佐之も一緒になっちゃうけどそれでよかったら」
あたしとおんなじ目線に座り込んで頭を撫でてくれる永倉さんに涙が出ちゃいそうだった
“妹みたいに思ってるから”
あたしが妹ってことは新撰組の人達はお兄ちゃんってことかな?
「あの、あたし…悩んでいるのは本当です、で、その…、今度相談に乗ってもらってもいいですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、帰るぞー」
「あっ、待ってくださいっ」
「のんびりしてる楠葉が悪りぃんだよっ。おいてくぞー」
「永倉さんっ!」
なんだか突っ込みどころがない人だな、と思いながらも永倉さんにとても感謝した出来事だった
しかし、相談の日
「あの…、やっ、やっぱりいいです!」
相談の内容的に斎藤さんとのキスのことや、あたしの斎藤さんへの気持ちも言わなきゃいけないことに気付き結局相談はできなかった
「やっぱ、まだお兄ちゃんとは呼んでくれないみたい…」
「どんまい、新八」
「あー。相談のってあげたらお兄ちゃんって呼んでくれるかなって思ったけど、あのこまだ受け入れてくれないっ」
「ほらほら、泣くなって…。大丈夫だよ、新八。いつかそういった日がくるから…」
「本当かよ」
「でも、新八。楠葉にお兄ちゃんって呼ばれたいお前ってかなり変態だぞ?」
「そ、そんなことねぇーよ!ば、ばっか、なに考えてんだよ佐之…。やらしいぞー」
「んーだと?コノヤロー」
「なんだ、やんのか?」
こうして2人がもめたことも楠葉は知らずにいた

