漆黒の黒般若

そのあともあっちへこっちへと店を転々とするがいいものが見つからない



あいつは一体何をしたら喜ぶんだ?



いつも見廻りで歩く距離に比べたらほんのちょっとしか歩いていないのにも関わらず斎藤の顔は疲労の色が滲んでいる



やはり、またあの簪屋に行ってみようか?


いや、食べ物屋だろうか?


頭を抱える斎藤は今まで見てきた店を思い返してみる


しかし1度却下した物をまた選ぶ気になるのだろうか?



ついには道の外れに来てしまった斎藤の目にあるものが写った


「これだ!」



そして斎藤はそれを抱えて屯所へ戻っていった