「あのっ、待ってください」


「何してるんだ?遅い。置いてくぞ」


「何してる…って、速いですよ土方さん」


歩くのが速い土方さんについていくのに必死な楠葉は懸命に後をついていく



「待ってくださいって!ひやっ」


ひたすら歩く楠葉だったがいつのまにか混んできた道で人に流されて転んでしまった


「いったぁ…」


痛む膝を見ると少し血が滲んでいる


砂を払った手にもチクチクと痛みが走る



とりあえず砂を払って立とうとすると腕をグイッと引っ張られた



「おい、大丈夫かよ?って血ぃでてるじゃねえか!医者いくぞ!医者!」


ただの擦り傷ごときで焦りまくってる土方さんを見てつい笑ってしまう


「おい、楠葉。なに笑っていやがる!」


「ひっ、す、すみません」

それでも土方さんはまだ怖い