漆黒の黒般若

そんな中、早朝に大砲の音が響いた



勿論その音は新撰組が待機する九条河原へとも聞こえていた



「くっそ…。長州のやつら…。よしっ、俺たちも行くぞ!」



すぐに五条に向かおうとする近藤達を予備兵として一緒に待機していた会津の兵が引き止める



「おい、待て!勝手に行動するな。俺たちは待機命令が下っているはずだ!」



そう言った兵士は田舎侍と呼ばれ蔑まされた新撰組を相手に勝ち誇ったような態度で立っている


しかし土方はそんな兵士につかつかと詰め寄ると胸ぐらを掴み睨み付けた



「こういう時に動けなくて何が待機だ?!俺たちは遊びに来てるんじゃねぇんだよ。いつでも死ぬ覚悟でいんだよ!」



睨まれた兵士は土方の勢いにたじろぐ


そしてさっさと五条へと向かう新撰組を追った



「み、皆のもの、新撰組につづけー!」



「おぉー!」