漆黒の黒般若

「会津中将松平容保様おあづかり新撰組。京都守護職の要請によりおうせさんじもうした!」



伏見奉行所にたどり着いた俺たちは要請の通達を知らせ、配置などの指示を待っていた




しかし、門番は俺たちを通すどころか帰るよういってきた



「貴様ら新撰組か…?お前らなどに通達など行っておらん!さっさと帰るがいい。田舎侍に出る幕はないだろうからな」



そう言った門番を筆頭に周りにいたもの達は笑い始めた



今すぐにこいつらを斬り捨てたいという気持ちを必死で押さえる



所次第は桑名藩の役目であって、新撰組が下手に動けば会津の顔を潰しかねない



そうとわかっていても目の前で笑うやつらに我慢の限界も近づき始めてくる




ぐっと握りしめた拳に力がはいる


と、その時



「トシ」



不意に横から声をかけられる



声のした方に振り向くと近藤さんが静かに首を横に降っていた



「お前はこの隊をまとめる副長なんだぞ?そんなかっかしていてはだめだろ。しっかりしてくれよ、副長さん」




「っ…。あぁ…すまないな」


バカにはされなれているだろ?



そう言って笑う近藤さんには頭があがらねぇな…



「さて、ここはとりあえず会津へと向かおう」



こうして新撰組は一旦会津へと歩き始めたのであった