「沖田さん、手拭いかえますね」



2つ目は冷えぴた



暑い気温のせいで直ぐにぬるくなってしまう手拭いはいくらかえてもきりがない


しかも汗をたくさんかいた沖田さんは寒いらしく布団のなかで真っ青になっている



「着替えましょう、沖田さん。このままだと熱が上がっちゃいますから」



「うん…」



見るからに辛そうな沖田さんを起き上がらせると着替えと濡れた手拭いを用意して部屋を出る



中からは沖田さんの咳が聞こえてくる



「今日も咳酷いなぁ…」



最近前にも増して咳が止まらない沖田さんは夜もあまり眠れてないようだった



日々痩せていく体と濃くなっていくくまを思い出してつい涙が出そうになる



このままだと本当に沖田さんは……



どうしよう……



そこまで考えると楠葉の目にはなみなみと涙がたまっていた



まばたきをすればこぼれ落ちてしまうだろう涙を必死で引っ込める



「あたしが泣いてどうすんのよ…」



涙の代わりにぽつんと自分を元気付ける


「終わったよ…」



中から声がして楠葉は目を擦ってから入っていった



あたしが頑張らなくちゃ



がんばって笑うが沖田さんはあんまり嬉しそうにはしてくれなかった