「おっ、楠葉じゃねぇか。今日も留守番か?」


見事仲直り?を果たした原田さんが隣に座る



斎藤さんが隊務なので楠葉はいつも通り暇をもて余していた



「はい。この通り暇です」

「ははっ、斎藤の小姓は暇そうだもんな」


「そうなんですよ…。斎藤さん、自分のことはみんな自分でやるもんだから小姓のあたしはやることがなくって…」


「あははっ、斎藤らしいな」


「ですよね、斎藤さんって昔からあんなにクールだったんですか?」


「ん?くぅるってなんだ?」


「あっ、すみません…。クールっていうのはぁ…、無口っていうか…、ちょっと冷めてるっていうか…。うーん。何て言えばいいのかな…」



「そうだなぁ…、斎藤は俺達が京に屯所を構えてから入ってきたやつだからなぁ。古株といっちゃぁそうだが江戸から一緒にいた訳じゃないからわからないが。結構かわいいところもあるんだぜ?」


「そうなんですか!?
斎藤さんがかわいいだなんてなんだか拍子抜けしちゃいますよね」


「そうだろ?例えば、斎藤は猫がダメなんだよ。っでまえに総司が拾ってきた猫が脱走してよぉ、そしたらあろうことかその猫斎藤の部屋に忍び込んだらしくて一晩中廊下で震えていたらしいぜ?」



「斎藤さん、猫ダメなんですか?!なんかかわいいですね。そのあとその猫はどうなったんですか?」


「あぁ、震えていた斎藤を発見した平助が猫を総司のところに届けて事なきを得たんだが、隠れて猫を飼っていた総司は土方さんに大目玉でさぁー」



「ふははっ、沖田さんらしいですね。沖田さん…、あのっ、佐之さん。沖田さんって部屋にいます?」



総司の話に急にシュンッとした楠葉はきっとまだ総司と気まずい状況なんだとわかった


「総司かぁ…、今日は見回りで今はいないなぁ」


「…そうですか」


何かを思いつめたようにうつむく楠葉をみてなんとか総司と仲直りさせてやりたくなった


「よし、俺にまかせろ楠葉。まぁ罪滅ぼしとは言わねぇがこのことに関しては俺も他人事とは言えねぇからな。協力させてもらうぜ?」


「本当ですか?ありがとうございます。あたしも沖田さんと仲直り出来るように頑張ります!」


協力すると言った原田の言葉にパッと笑顔をみせた楠葉に原田も笑顔になった