漆黒の黒般若

とりあえず宿に身を寄せた

しかし、外になど出る気もせず部屋でじっと芹沢の事を考えていた



あたしは本当に邪魔になったんだろうか



あんなに愛していたのにそれはあたしの一方的な愛だったのか



芹沢に会いたい



会ってもう一度話をしたい



でも…



もし新しい女がいたらどうしよう



あたしの時みたいにあんなに優しく抱き締められているのだろうか




負の想像は一度考えるとどんどん浮かんでくる


そのたびにあたしの心は深く沈んでいく



あの人といられないならいっそのこと…



思い悩んだ末に出した答えは死だった


立ち上がり宿をあとにする



そうして向かったのは町を流れる川だった