ある日屯所で女の子を見かけた
姿は袴だったが
顔はまるっきり女の子だった
女という身分を隠しているようで、声をかけると少し低めの返事が返ってきた
「あなた女の子でしょ?なんでこんなところにいるの?」
あたしがキョトンとした顔で尋ねると彼女は焦ったように首を横にふる
「あ、あたしは女の子ではありません!れっきとした男ですっ!」
その子は自分を男だと言い張る
しかし声はさっきの低さではなく女の子のようなトーンだったし
よく見れば体つきも女だ
いくら男のフリをしたところで遊廓育ちのお梅を楠葉は騙すことができなかった
「はい、はい。わかったわよ。っで名前は何て言うの?」
「あたしの名前は楠葉です」
「楠葉ちゃんか、いい名前ね。あたしは梅っていうんだ。よろしくね」
「楠葉ちゃんって…、だからあたしは男ですって!」
「あっ!おだんごがあるんだけど食べる?」
男だと言い張る楠葉ちゃんを無視しておだんごを差し出すと彼女はキラキラした顔でこちらを見てきた
「いいんですかぁっ!」
「うん、一緒にたべよ」
「わぁい」
これが楠葉ちゃんとあたしの出会いだった
姿は袴だったが
顔はまるっきり女の子だった
女という身分を隠しているようで、声をかけると少し低めの返事が返ってきた
「あなた女の子でしょ?なんでこんなところにいるの?」
あたしがキョトンとした顔で尋ねると彼女は焦ったように首を横にふる
「あ、あたしは女の子ではありません!れっきとした男ですっ!」
その子は自分を男だと言い張る
しかし声はさっきの低さではなく女の子のようなトーンだったし
よく見れば体つきも女だ
いくら男のフリをしたところで遊廓育ちのお梅を楠葉は騙すことができなかった
「はい、はい。わかったわよ。っで名前は何て言うの?」
「あたしの名前は楠葉です」
「楠葉ちゃんか、いい名前ね。あたしは梅っていうんだ。よろしくね」
「楠葉ちゃんって…、だからあたしは男ですって!」
「あっ!おだんごがあるんだけど食べる?」
男だと言い張る楠葉ちゃんを無視しておだんごを差し出すと彼女はキラキラした顔でこちらを見てきた
「いいんですかぁっ!」
「うん、一緒にたべよ」
「わぁい」
これが楠葉ちゃんとあたしの出会いだった

