「楠葉さん、お誕生日おめでとうございます。これどうぞ」
「あ、山南さん。ありがとうございます」
廊下の奥から現れた山南さんはあたしの隣に腰かけるとお茶を差し出してくれた
「今日は隊務じゃないんですか?」
「あぁ、あれは夜からなんですよ。それに準備はすっかり終わってますしね」
「そうなんですか?じゃあ山南さんも日向ぼっこしますか?」
「日向ぼっこですか?あはは。今日は天気もいいですし絶好の日向ぼっこ日和ですね。ではお言葉に甘えて私も少し…」
2人ならんで青い空を流れる雲をぼんやり眺める
雲は形を変えて流れていく
「雲はいいですね…」
「えっ?」
「彼らは自由ですから」
そう言いながら空を見上げる山南さんは心なしか悲しげに見える
「そうですね。でも彼らは自分達が何のためにいるのか知らないと思いますよ?」
「自分の存在価値…ですか?」
「はい。雲は気ままに生きていますがそれはあくまで自分のため、理由を持たずに生きています。でもそんなの寂しくないですか?自分の存在理由がなくてはそれは人として寂しいです…」
「楠葉さん…」
「あたしは…、1度失ったのでわかるんです。目の前で殺されていった生きる理由達は人生を真っ当できたのでしょうか?今の理由は復讐という私欲に満ちたものですけどあたしにはれっきとした生きている理由です…」
少し眉を下げて笑うと山南さんも微笑み返してくれた
「あなたはよく頑張っていますよ…」
「えっ?」
ボソッと呟かれた言葉に耳を傾けるがあまり聞こえなかった
「いえ、こちらの話です」
またにっこり笑った山南さんはお茶をすすりながらまた空を眺めた
「あ、山南さん。ありがとうございます」
廊下の奥から現れた山南さんはあたしの隣に腰かけるとお茶を差し出してくれた
「今日は隊務じゃないんですか?」
「あぁ、あれは夜からなんですよ。それに準備はすっかり終わってますしね」
「そうなんですか?じゃあ山南さんも日向ぼっこしますか?」
「日向ぼっこですか?あはは。今日は天気もいいですし絶好の日向ぼっこ日和ですね。ではお言葉に甘えて私も少し…」
2人ならんで青い空を流れる雲をぼんやり眺める
雲は形を変えて流れていく
「雲はいいですね…」
「えっ?」
「彼らは自由ですから」
そう言いながら空を見上げる山南さんは心なしか悲しげに見える
「そうですね。でも彼らは自分達が何のためにいるのか知らないと思いますよ?」
「自分の存在価値…ですか?」
「はい。雲は気ままに生きていますがそれはあくまで自分のため、理由を持たずに生きています。でもそんなの寂しくないですか?自分の存在理由がなくてはそれは人として寂しいです…」
「楠葉さん…」
「あたしは…、1度失ったのでわかるんです。目の前で殺されていった生きる理由達は人生を真っ当できたのでしょうか?今の理由は復讐という私欲に満ちたものですけどあたしにはれっきとした生きている理由です…」
少し眉を下げて笑うと山南さんも微笑み返してくれた
「あなたはよく頑張っていますよ…」
「えっ?」
ボソッと呟かれた言葉に耳を傾けるがあまり聞こえなかった
「いえ、こちらの話です」
またにっこり笑った山南さんはお茶をすすりながらまた空を眺めた

