隊務や稽古で昼間の屯所はもぬけの殻だ
あたしがまた暇をもて余していると
「楠葉ちゃんっ」
「あっ、お梅さん」
門のところから大きな荷物を持ちながらお梅さんが歩いてきた
「どうしたんですか?その荷物」
お梅さんはよっこらせっと声をこぼしながらあたしの隣に腰かけると少し顔を赤らめながらうつむいた
「実はさぁ、今日から芹沢と暮らすことになったんだよね。あの人が菱屋の主人と話してくれたらしくて…、っていうか多分脅したんだろうけど」
笑いながら話すお梅さんは本当に幸せそうだ
「おめでとうございます!お梅さん。じゃああたしが仲人やりますね」
「あはは、頼むよ」
幸せそうなお梅さんを見て本当によかったと思った
彼女の地獄のような生活もやっと報われる日が来たのだ
あたしは隣で赤くなりながら幸せそうに話すお梅さんの幸せを心から喜んだ
「これ、みて」
そう言ってお梅さんが懐から出したのは扇子だった
「あの人いつも趣味の悪い真っ黒の鉄扇使ってるでしょ?だからあたしは武器じゃなくてあの人を癒すための扇子をあげようと思ってね…」
「いいと思います。きっと芹沢さんも喜びますよ!」
「だといいけどね」
しばらくするとお梅さんは立ち上がって八木邸へと去っていった
その足取りは愛する人との暮らしに心弾ませていた
あたしがまた暇をもて余していると
「楠葉ちゃんっ」
「あっ、お梅さん」
門のところから大きな荷物を持ちながらお梅さんが歩いてきた
「どうしたんですか?その荷物」
お梅さんはよっこらせっと声をこぼしながらあたしの隣に腰かけると少し顔を赤らめながらうつむいた
「実はさぁ、今日から芹沢と暮らすことになったんだよね。あの人が菱屋の主人と話してくれたらしくて…、っていうか多分脅したんだろうけど」
笑いながら話すお梅さんは本当に幸せそうだ
「おめでとうございます!お梅さん。じゃああたしが仲人やりますね」
「あはは、頼むよ」
幸せそうなお梅さんを見て本当によかったと思った
彼女の地獄のような生活もやっと報われる日が来たのだ
あたしは隣で赤くなりながら幸せそうに話すお梅さんの幸せを心から喜んだ
「これ、みて」
そう言ってお梅さんが懐から出したのは扇子だった
「あの人いつも趣味の悪い真っ黒の鉄扇使ってるでしょ?だからあたしは武器じゃなくてあの人を癒すための扇子をあげようと思ってね…」
「いいと思います。きっと芹沢さんも喜びますよ!」
「だといいけどね」
しばらくするとお梅さんは立ち上がって八木邸へと去っていった
その足取りは愛する人との暮らしに心弾ませていた

