しばらく歩くと村人らしき人を見かけた


ほっ、と安心する反面なんだか妙な感じを覚えた



皆、着物なのだ


1人や2人くらいなら
おかしくも思わないが
会う人全員が着物を着ている


多分祐も同じことを考えているのだろう
村人たちを見て何か考えている




「ねぇ祐、なんでみんな着物きてるのかな…?」


正答なんてかえってくるはずないって分かっていたけど祐に聞けばわかる気がした




「あのさ、楠葉。俺たちもしかしたらタイムスリップしちゃったのかも…」






「タイムスリップ?」


ちょっと小馬鹿にしたように笑いながら言葉を繰り返してみるけど祐の顔は真剣そのものだ





「えっ。ちょっ、それ本気でいってるの?」


タイムスリップなんてドラマや映画の中だけでの話だと思ってたしだいたいあたしがタイムスリップなんてありえないと思ったけど考えてみればつじつまが合う


「じゃああの機械はタイムマシーンだったってこと?お父さんはタイムマシーン造ったの?」




「うーん…。分からないけど多分そうだと思う」



「そっか。」


なぜかタイムスリップなんてファンタジーなことをすんなり受け止めてるあたしがいた


「とりあえず、誰かに声かけるぞ」



祐はそういって村にむかって歩きだした