「…は…ずは。」


誰かが呼んでる


「楠葉っ楠葉。起きろ」


「っん…ん、」



ぼやける目を擦って
起き上がろうとしたら

ズキッ



後頭部が激しく痛んだ



「ったぁー…」



目に涙を浮かべて痛む部分に触れると大きなたんこぶが出来ていた


「大丈夫か?」


祐があたしと同じとこを擦りながら心配してくれた



「うん。なんとか…」




それにしてもあれはなんだったのだろう…


2人しか居なかったはずなのに第3者によって殴られたあたし達2人はあれから意識を失ってしまっていたらしい





「それにしても、ここどこだよ…」




祐の言葉で辺りを見渡したあたしは愕然とした

あたし達が気を失ったのは確かお父さんの実験室の地下だったはず
しかし今2人が居るのは周りを田んぼに囲まれた田舎っぽいところだ






「なんで、どこだよここ」

いつも冷静な祐も流石に動揺を隠しきれない