少し潤んだ瞳で、強く俺を射る。 あずが遠くに行ってしまう気がする。 いや、もう行ってしまったのかもしれない。 俺には、無理だ。 「私、ここで…」 「みんな、どうしているだろうね?」 にっこりと笑って見せる。 我ながら腹黒いと思う。 「俺らのこと心配してるだろうね。」 現代の話題を持ち出して、みんな待ってるんだよ、とでも言えばあずは帰る道を選ぶ。 あずの性格上、自分と他人なら、後者を選ぶにきまっているから。