強い。 今まで試合をしてきた相手や、辰之助さんとは比にならない。 「たああ!」 ――バシッ 再び竹刀が交差する。 剣道より若干短い竹刀のせいか、二度連続で受けた重みで腕はびりびりと痺れが生じている。 時折見せる余裕あり気な笑みが気に触る。 攻撃の隙も与えてもらえず、ただ耐えて守るしか出来ない。 勝つか負けるか。 私には後者の選択しか与えられていなかった。