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――マズユビ
ゴキ
深夜ベッドで眠っていた久遠は急に悲鳴を上げた。平穏に落ちた黒い影。
右半身を刺すような激痛。
――え
右手の中指が人差し指と直角に交わっていた。
そして中指が意思を持たない幽鬼のように垂れ下がる。さらに半回転し、爪が掌についた。
久遠は訳がわからず、困惑した。
――暗くて何も見えない、明かりを確保しよう
そう考えた。
電源を入れても点く様子がない。
――停電?
疑問に思い懐中電灯を探し出す。
――マズユビ
ゴキ
深夜ベッドで眠っていた久遠は急に悲鳴を上げた。平穏に落ちた黒い影。
右半身を刺すような激痛。
――え
右手の中指が人差し指と直角に交わっていた。
そして中指が意思を持たない幽鬼のように垂れ下がる。さらに半回転し、爪が掌についた。
久遠は訳がわからず、困惑した。
――暗くて何も見えない、明かりを確保しよう
そう考えた。
電源を入れても点く様子がない。
――停電?
疑問に思い懐中電灯を探し出す。