「ん? じゃあ、あいつって誰…?」 そう尋ねられた時脳裏には翔の最後の言葉が浮かんでいた。 あの時翔は私に言ったの。 『お前が幸せになったら、俺はきっとお前の前に現れるから』 って。 裕樹との間に子供が出来て、顔を見た時思わずあっと声を上げた。 その顔があまりにも翔に似ていたから。 「翔がどうかしたのか?」 首を傾げる夫を見て微笑む。 「内緒」 「………何だよ、それ」 裕樹は飽きれた声を出したけど、顔は笑ってた。