夫は息子を降ろすと私の隣に立った。 息子は一目散に娘の方に駆けて行く。 夫はベンチに腰掛け自分の隣を叩いた。 「お前も座れば?」 「……うん」 そっと腰を降ろして、夫の隣にピタリと寄り添う。 「綺麗な場所だな、ここは」 お前が気に入るのもわかる気がする。 そう言われて嬉しかった。 「でしょー?」 ニコッと微笑むとギュッと抱き締められた。